とある場所にて


「……終わったよ」

「皆の仇、取ることが出来たんだ」

「急な報告でびっくりするかな？」

「前に来たときは、相変わらず全く見つからないってぼやいてたし」


「えっとね、実は私があいつに襲われたの」

「まさかずっと探していた敵が向こうから姿を現すなんて驚きだよね」

「……まあ、向こうは私の事なんて覚えてなかったけど」


「私一人だったら、凄く悔しいけど、そのまま殺されて終わりだったと思う」

「でも、ケルベロスの仲間が駆けつけてくれて…」

「…まあ、えっと、色々迷惑もかけながら、とりあえず、最後は、私のこの手で……仕留めた」


「後で聞いたんだけど、あのデウスエクス、種族は死神で、名前は白炎女王ユーディエールって言うんだって」

「これは、ヘリオライダーさんからの情報」

「改めて、ヘリオライダーの予知って凄いよね…びっくり」


「…………」

「…………」

「……これで本当に終わったんだよね」

「…でも思ってたほど、嬉しくないのが不思議…」

「達成感みたいのは、あるにはあるけど…何か想像してたのと違ってて…」

「…最近は何もする気になれなくって…何か気が抜けちゃったみたい…」


「そんな姿を見せちゃったからか、叔父さん達にも、心配をかけちゃったみたい」

「もう無理して戦わなくて良いんじゃないかって」

「でも、まだケルベロスの活動は続けるつもり」

「仇を討つことが一番だったけど、他の仲間と一緒に過ごすのも、その、好き、だし…」

「だから、えっと、もう少し頑張ってみるよ」


「……うん。それじゃあ、またね」